社内恋愛の絶対条件!"溺愛は退勤時間が過ぎてから"
二人で作った料理を運び、ドラマを見ながら食事をする。


簡単ピラフ、コンソメスープ。


夏は腐敗しやすく野菜の買い貯めは出来ないので長持ち出来る野菜と冷凍物しかなくて、自炊しているいつもの料理でも、相良さんと一緒に作って食べてるから特別感があり、美味しく感じる。


食後にコーヒーを飲んで・・・レンタルした2巻目のドラマもエンドロールへ。


「あっ、終わっちゃった…」


主題歌が流れ、思っていた事を言葉に出してしまう。


約束のお別れの時間。


「なるべく時間を空けないように、続きを見られる様にするから」


相良さんが帰ろうとして立ち上がったので、私も咄嗟に立ち上がる。


「はい、待ってますね」


「じゃあ、また明日、会社で…」


"また明日、会社で…"、とても素敵な響きだけれど、私にとっては見てるだけの時間に逆戻りするだけ。


別れ際に頭を撫でられるが、この優しさもしばらくお預け。


「…えっと、お願いがある…んですけど…最後に…ぎゅうっとして、もらえますか?」


「うん、これだけで良いの?」


私は寂しさを埋める様に恥ずかしながらも言葉に出して、抱き締めてもらった。


相良さんの存在を確かめる様に私も背中に手を回し、抱き締め返す。
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