満月の扉
月人-ツキビト-
『……………イ……』
『…オ……………』
どこからか何かが聞こえる。
ん〜……?何だよ……?
うるさいなぁ………。
俺はまゆをしかめながらももう一度眠りにつこうとした。
しかし…………、
『………オイ…………』
『……イ…オ……ロ…』
『オ…………』
……だぁー!
うるさい!なんだよ人が…
そう不愉快に思い、またまゆをしかめた。
しかし俺は起きる気なんて全くと言っていいほどなくて。
また眠りにつこうとした時………
「……いーかげんに起きろぉーー!!!!!!!」
『ドカッ!!!』
「うはっ!」
大音量のMDプレイヤーよりもでかいかもしれない大声と、くらったことないけどプロレスラーに並ぶくらいの強烈なパンチが俺のお腹に鈍い痛みを与えた。
「ゲホッゲホッ!」
俺は目を閉じたままお腹を押さえ、寝転びながらもがいた。
いやーいたい!
なんだあの爆発音みたいな大声と強烈なパンチは?
この声とパンチがあれば確実に世界チャンプだな!
って感心している場合じゃなくて!!
「なんだ。だらしない奴だな。こんなパンチで痛いなんて。まだ本気の半分もだしてないのに。うちにはまだまだ強いやつはいるしな。」
…あんたんとこは…プロレス一家ですか…………?