満月の扉



「今日はよく星が見えるな。雲も少ないし。」


俺はそういって天体望遠鏡に目を近づけた。


秋の爽やかな冷たい風が月夜を通り抜け、屋上に優しくふく。


今日は絶好の天体観測日和ってやつか?


さそり座が綺麗に見える。

北斗七星は相変わらずいつも輝いてて。


俺はじっくり星を眺め、満足して下に座りこんだ。


「フゥー……。」


小さなため息がでた。


別に不満なんじゃない。


ただ疲れただけ。
やみつきになってたから。


言っとくが俺は天文マニアとか、オタクではない。




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