満月の扉



「…おばあちゃん?僕屋上入っていいの?お母さんがダメだって言ってたよ?」


俺はおばあちゃんに連れられて屋上の扉の前まできた。


いつもは来ちゃ行けない三階部分に足を踏み入れたとき、妙にドキドキした。


そう言った俺に対しおばあちゃんは、


「お母さん達には秘密だよ。」


そう小さく、でも俺にちゃんと聞こえるように微笑んで言った。


俺とおばあちゃんしかいないのにおばあちゃんは小さく話したので俺はなんかまたドキドキが増した。


『カチャカチャ……キィ…』


ゆっくり、ゆっくり開かれた扉の向こうはなんだか特別な世界に思えた。
おばあちゃんはまるで魔法使いになったように見えた。


ゆっくり、ゆっくり、扉は開いていって………ー





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