満月の扉
「……わぁー!月だー!」
扉の向こうは魔法の国…ではなかったけど初めて来た夜中の屋上は俺にとっては魔法の国と同等のようにすごかった。
こんなにきれいな月は今までに見たことがなかった。
こんなにきれいな空は初めて見た。
初めてきちんと夜空をみた俺にとっては星は宝石で月は真珠に見えた。
「おばあちゃん!見て!きれいだよ!」
「そうだねぇ。」
はしゃぐ俺を優しくおばあちゃんは見ていた。
それからおばあちゃんは俺に色んなことを教えてもらった。
星の話。
月の話。
正座の話。
宇宙の話。
どれも初めて聞いた話だったし、小さい俺はまだ理解はできなかった。
でもその話は特別で、なんか輝いていて、宝石のような話だった。
俺は天体に興味を持った。
おばあちゃんがくれた大切なもの。
それは星と月。
俺にくれた大切なもの。
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