Lingerie















「……馬鹿みたいだ」




不意に零した一言は鏡に映った自分に向けて。

衝撃的な告白を受け、衝撃的条件でそれを受領した後2人で帰路についたのは私の住んでいるマンションた。

あんな条件をだしたけれども本気でそれを飲んでこうしてついて来てくれるとは。

それでも、今までだって特別親しい間柄であったわけではない2人の距離が唐突に狭まり和気あいあいというわけにもいかず、ここまでの時間ポツリポツリと必要最低限の言葉しか交わせていない。

それなのに時間というモノは時に無情で、気が付けば食事も済ませ入浴も済んでしまった今この瞬間。

体目当て。

そうはっきりと宣言されているのだ。

この後に控える時間と言えばどう考えても濃密な男女の時間というやつでしょ。

正直言えば処女な自分に今更な惜しさはない。

捨てられる物ならいつ捨ててもいいと思っていたくらいなのだ。

それでも、実際にそれに直面すればさすがに乏しい羞恥とか緊張が浮上する物で、どこかおかしなところはないだろうかと無意識に鏡の中の自分を確認してしまっていたのだ。

そんな私に詰ったのが先刻。

何を柄にもなく乙女に沸いているんだか。

そもそもこの関係に沸く様な要素があると思う?


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