Lingerie




困るのはそんな些細な刺激でも充分に緊張して刺激に震え熱くなってしまう事。

でも、さすがになんか分かる。

多分ね、多分……この行為はね思ってる物と違う。

そんな結論をようやく弾きだしたのは九条君がようやく真横に結んでいた唇から小さく息を吐きだしたと同じだったと思う。

「……最高です、ミモリさん」

「っ…は?」

「ヤバいです。本当に理想的すぎて興奮が収まらない」

「……」

一応言っておきますよ?

これまでの時間いかがわしい行為一切皆無です。

私未だ処女のままです。

だというのに、この目の前の彼のいかにも事後成し遂げたかのような恍惚とした興奮状態は何なんでしょうか?

まったく意味不明できょとんとしている私を他所に、滅多に見ぬような満足の表情でベッドを降りた彼が部屋の隅にあった彼の私物の中から布の袋を手にするとベッドに戻ってくる。

そうして私の目の前にそれを差し出すと、

「つけてください。多分サイズは合うはずです」

ほぼ強制。

きっと逆らっても無意味な場面なのだろうとさすがに悟って言われるままに袋を漁る。

そうして取り出した中身は見た瞬間に理解する、

「九条君の…デザイン?」

半信半疑であったのは商品としては見た事の無いものであったから。

でも、この独創的で一瞬にして女子の心を掴む生地やレースの遣いの良い下着は彼の作品だろう。

「ミモリさんのです」

「…はっ?」

「ずっと、見てたんです」

「っ……」

「服の上からでもはっきり分かるくらい俺の理想通りの身体だったから」

「……」

「ずっと、あなたの身体に俺の下着をつけさせてみたかった」

「……」

分かりますか?

彼の真剣な眼差しと言葉にときめいたの「ずっと見てたんです」までですよ?

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