Lingerie













『俺のモノ』?






そう執着して見せるのは私にじゃない。

その嫉妬の様な意識も全て私の心には向けられてはいないんでしょう?

いっそ最初から性欲目的で体を貪られた方が自分の心が彼に惹かれる事なんてなかったんじゃないかって思う。

所詮男はそんな物だとドライに捉えて、同じような甘い彼を知ってもここまで虚しさを覚えなかったんじゃないかって。

もうカオスだ。

一瞬の極上の甘さでさえ自分の葛藤を麻痺させられないほどに限界。

なのにいつだって私の複雑な心中や状態などお構いなし、愛情をもって触れるくせにその目は一度も私を見やしない。

一週間前からずっと、一度たりともだ。

なのに…、ほらまた、残酷な唇が動きを見せて、

「……好__」

「っ…『好きです』とか言うなっ!」

「っ____」


あっ……___。

絡んだ双眸に一瞬燃え上がった憤りなんて瞬時に鎮火する。

焦りと戸惑いに対峙する彼の双眸に映るのもまた然り。

本当に突発的であった、感情の暴走ゆえの行動。

馬鹿の一つ覚えの様に繰り返される心には反映されない『好きです』の響きにスイッチを押され、『いい加減にしろ』と感情に突き動かされた身体は彼を突き放すものだと思っていた。

なのに……どこまで私は疎かにも依存している?

自分の両手は胸元に口づけていた彼の頬を覆って強引にこちらに意識を向けたようで、だからこそ彼は驚愕に満ちた表情で私を綺麗な双眸に移しこんで不動であるのだ。

ああ、綺麗。

強引に持ちあげたせいで前髪が流れて、夜にしか見る事の叶わない筈の水色の発色を露わにする。

綺麗で綺麗で……欲しくて堪らなくて、でもだからこそ……

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