Lingerie
「っ……」
「ミモリさ…」
「別れてください」
「っ……」
言葉より早く限界だと訴えたのは自分の頬を伝った涙だ。
それにさすがに驚愕を見せた彼に言葉を許さぬまま結論を零す。
私の決別に理解が追い付かないと言いたげな彼の姿は明確で、『何で?』と問いかけるようなまっすぐな驚愕の眼差しには少しばかり苛立ちが募った。
だって、
「今更です」
「……は?」
「狡いんですよ。……終わりになってやっと私を見るなんて」
「ちょっ…ミモ__」
「私、あなたに触られるのが死ぬほど嫌いっ」
「っ…すみま」
「あなたに触られるのが死ぬほど好きだから、あなたに触られるのが死ぬほど嫌いですっ」
「………………えと……え?どっちですか?」
普通に考えたら彼の反応が正解だろう。
本当にどっちだ?と言いたくなる矛盾した相反する感情の理屈。
なんて無様なんだろう。
きっとらしくもないグダグダな自分。
さすがに彼を突き放す様に胸を押して後退し、背後の壁に寄りかかりながら涙を隠す様に俯き額を押さえた。
それでもどうしても涙と連動する鼻水はどうしようもなく、ズズッと鼻を啜っては更に情けないと泣きたくなっての悪循環。