Lingerie


そうでした。

これが九条君、これぞ九条君。

あまりにもこの一週間私に与えられるのは甘い姿ばかりであったから完全に麻痺していた。

本来こういう生き物で、だからこそ悪評高かったのだと久しぶりに思い知らされた。

今もまだビビる私に憤り全開、下手したら侮蔑的眼差しで舌打ちまで響かせてくる。

コレマジで犯されるんじゃ?何て思わぬ展開に完全に怯んで震えていれば。

「本っ当…くっそムカつくわ」

「っ……す、すみ…」

「この一週間俺がどんだけ必死に抑制してたと思ってんだ、ああ?」

「っ…よ、抑制?」

「『誰でもいい』なんて告白した時から知ってんだよっ、むしろ、俺を受け入れた段階で末期だって気づくだろっ」

「……は…は?」

「『体目当て』は本気だよ。でもな、普通それだけでつきあってくれとか言うか?一緒に暮らしてなんて飛んだ条件飲むかよ、」

「い、いや…普通は無いけど……九条君は……その、」

「普通じゃねえって言いてえのか?」

ひぃぃ、指を鳴らさないでっ!?凄まないでっ!?

弾かれる言葉はどうやら私への本気の好意らしいけど、それを弾くご本人は喧嘩でもおっぱじめるかの如く私を凄んで眉根を寄せてくるから堪らない。


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