Lingerie
あれ?でも…。
あれ?……つまりは…さ、
「九条君は……私の事が…好…き?」
「……なあ、一発殴っていいか?」
「っ…す、好きですよね!はい、好きなんですよね!?わかりました!充分に分かってます!はいっ!」
「……本当、馬鹿すぎて殺したくなる」
「っ……」
殺意的な言葉の響きは不機嫌の継続。
そんな響き混じりに体を引かれれば畏怖による緊張が走るのは当然だろう。
ビクッと恐れに震え強張ったのは一瞬。
直後には……甘…い?
引いた力は苛立ち交じりであったのに抱きしめてくる力や温もりはベッドの中の物と類似する。
それに安堵を覚え始めた頃合い、
「……『俺の下着以外着けるな』」
「っ……」
「こんだけ分かりやすい独占欲示してるのに何で好きじゃないとか思いこめるかね」
「っ…だ…だって、触ってる時一度も私の事見てくれなかったし」
「アホか、あんな時にまともに目見たら理性飛ぶっつーの。ただでさえ余裕の無い息漏らしてるお前にこっちは半勃ちだったってのに」
し、知らなかった。
ってか、全然余裕で、むしろまったく私の反応なんて気にも留めてないと思ってた。
私だけがあの時間にもどかしく焦れて、私だけが不毛な恋心を増しているのだと思っていた。