【完】たとえ他人でもまた君に恋をする
どうして……どうして私が……。
幸せになれない運命なの……?
やっぱり、葉っぱみたいに咲いてちってゆく運命なの……?
「とりあえず、1週間入院だからお部屋に戻りましょう」
ただ頷くことしかできなかった。
部屋に足を重く動かしながら戻った。
「食べたい物ある?」
「ない…かな……」
「そうよね、何か食べたい物あったら電話して、お母さん仕事でごめんね」
お母さんは荷物を持ち、部屋を出ていった。
今日何日なんだろう、そういえば図書室。
コンコンコン──。
「失礼します」
低い声が聞こえてきた。ドアから映る服は制服だった。
誰だろう。
「お前、大丈夫か?」
「なん……で……いるの……?」
「約束忘れたか?本読んだらご褒美ちょうだいってやつ。俺、ちゃんと読んだから。それより、病気か?」
病気……何で知ってるの?
そういえば、約束したっけな……。
本当に読んだんだ。
ご褒美何がいいのかな。