【完】たとえ他人でもまた君に恋をする
久々に話しかけられるのが嬉しかった私は無視をするはずが、顔を上げた。
「泣いてなんかない」
ふっと、鼻で笑われた。
本当、今日ついてないのかな。
「泣いてないとか、顔見ただけでわかるし」
「そうだとしても、話しかけないで」
実は嬉しかった。
話しかけてもらえるのが。
たとえ、話しかけてくれるのが誰だって良かった。
「バカなの?私なんかに話しかけたら女子たちが嫉妬するよ?」
話しかけてきたのは、鈴木くんだった。
こんなところ、見られたら私なんて言われるのかな。
何で、あんたなんか人が悠くんに話しかけられてるのよって。
多分、そう言われるのかな……。
「別に良くね?俺が話しかけたくて 、話しかけたんだし」
話しかけたくて……?
変に、私さきたいしちゃうじゃん。