【完】たとえ他人でもまた君に恋をする
「そうだな、おかしいな」
「何か、あったのかよ」
「何もねぇーよ」
反対側の下駄箱から、声が聞こえてきた。
この声って……さっきと同じ声。
鈴木くんの声だ。
話のないよって、本だったよね?
これって、絶対読むって言ってた本のことだよね。
「俺、1日で絶対読むから今日やっぱ遊びにいかねー女達にもよろしくな」
「おい、まじかよ」
「好きな、女のためか?」
「さぁーな」
「ほら、帰るぞ」
本当に、1日で読む気なの?
それより、読んだら絶対寝不足になるよ。
てか私、何で心配しているんだろ……。
声が聞こえなくなり、急いでローファーを履き早足で私は帰った。
久しぶりに話した、親以外の人。