Lingerie~after story~
見事言葉に詰まった私に落とされるのはクスリと笑う彼の息遣い。
そんな音が真っ先に聴覚を犯し、次いで彼の五本の指先が脇腹を撫でたかと思うと服を捲り上げながら肌を這って熱を刻み始める。
そろそろ慣れてもいいはずの刺激に未だ息を止め、込み上げる熱に逆上せる自分はなんだか女性としての自分の未熟さを露見するようで落ち着かない。
私の方が年上なのに。
私はもっと平然と大人対応が出来る筈なのに。
そんなよく分からないプライドと羞恥に揺れて悶えて無意味な思考に脳裏を占領されて、『うっかり』抵抗を忘れている事に気が付いた時には胸元まで捲り上げられ肌と一緒に露わになる彼の身に纏う芸術。
私には……不相応な代物じゃないかと思う程艶やかであり品のあるランジェリー。
そんな自分の後ろめたさを見透かしたように、
「っ……」
「本当……俺のランジェリーが映える人ですねミモリさん」
胸元で……喋らないで…。
愛おしむように落とされたのは口づけが先。
胸元にしっとり押し当てられた唇から補足の様に零れ落ちる言葉のつぶては肌を通り抜けて直に内側に吹き込まれているような。
そんな物を吹き込まれては私の取り繕いな『大人』などいとも簡単に溶かし消されてしまうと言うのに。