Lingerie~after story~
息がしずらい。
心臓が痛くて、痛くて…。
「……本当に、煽り上手な人だ」
「っ……なに?」
この瞬間に煽り上手なんて言われるような言動行動をした覚えはない。
だからこそこの失笑混じりの彼の一言には疑問を隠せず音を漏らしてしまえば、答えよりも早く胸の谷間を下から上へとなぞり上げてくる指先の刺激。
それに身悶え息を飲んでしまった瞬間を見計らった?
「俺のランジェリーを身に着けてるとこが、」
「っ!?なっ……だってこれは九条くんがつけろって……」
「『つけろ』って言われて素直に身に纏って、健気にも俺に進んで捕われてるところが本当可愛い」
「っ!!?つけないと絶対に怒るでしょ!?」
「怒るよ。他の下着つけていようものなら公衆の面前でもお構いなしに剥いで俺のつけさせるくらいに」
「っ~~!!ほらっ!私に最初から選択肢とか無いじゃない!?身に着けてなきゃ地獄落ちだし、さすがの私でも公衆の面前で裸体晒すような事態になったら引きこもる!!」
「あ……それいいな。引きこもってくれたら完全に俺だけが触れて寵愛出来るミモリさんの完成だ」
「恐いっ!九条くんの思考が恐いっ!愛情が恐いっ!!」
「何で?ミモリさんにはこれ以上なりようがない程甘やかしてるつもりなのにな」
そんな言葉を示すかの様に、音と一緒に耳元に口づけを落とす唇は心底狡くて危険だと震える。