Lingerie~after story~
あれ?私これよく一週間も貞節を守れたな。とふと遠くに思ってしまった程。
そして同時にこの一週間彼が如何に抑制に抑制を重ねて獣な本能を抑え込んでいたかという事。
よく分かった。
よく分かったけど、いきなり爆発して襲い掛かってこないで~っ!!
最初の契約みたいな心持と違って、感情が伴うと複雑にも乙女心なる物が発動しちゃってスムーズに出来ないんだって!
そんな嘆きなんか読み取ってはいても汲んでくれる筈のない九条くんは完全に獣だ。
コレ完全に押し切られる!!っと薄ら死を覚悟するに近い諦めがよぎった瞬間。
「おっじゃま~」
「「っ……!!」」
パッと明るくなった視界に目が眩み、同時に耳に入り込んだのは聞き覚えのある陽気な声音。
さすがにこの展開には九条くんの拘束も解けて、2人で「はっ?」と漏らしながら体を起こし状況判断に走った程。
そうして捉えるのはリビングの入り口で明かりのスイッチに手をかけながらにっこりと笑いかけているイズミの姿だ。
その瞬間、『なんだ』と気が抜けたのは私の方だけだったらしく、隣に居た九条くんは更に不機嫌を眉間に刻み、凄みを効かせた声音で『はっ?』と零すから畏怖して震えた。