Lingerie~after story~
どこでどう見て気が付いていたのか。
どうやらここ数日直に対面することはなくとも私がこの辺りまで来てぐだついていた事を把握しているようなイズミの言葉。
そんな事実に目を丸くしている私にクスクスと笑って、チラリと腕時計に視線を走らせたかと思うと、
「私、休憩入れるんだけどあんたは?」
「はっ?えっ……はっ?」
「とりあえず生地おいたら話くらい聞いてあげるって言ってるのよ」
「はいっ!?」
「あんたの事だからまたなんか一人でグダグダ悩んで…、だからそんな地縛霊の様にデザイン部近くに張り付いてたんでしょうが」
「地縛霊って……いや、本当に別に相談とか……」
「……あんた、どうせ今もくだらない理由で遠慮してるんでしょ?」
「えっと……」
別にくだらなくはないと思うのだけど。
悩みって言うのは当然の事ながら九条くんとの問題で、だからこそその悩みをイズミに打ち明け相談すべきなのか分からないだけで。
だって……ねえ?
一応……私の事を好いてくれているわけでしょ?
そんな人に自分の恋愛相談とか普通ないでしょ?
そう思うのは至ってまともな判断で、まともな遠慮だと思っていたんだけど。