Lingerie~after story~
「なんか、九条くんには貰ってばかりいるね」
「そう?なんかあげたっけ?」
「貰ってるよ。付き合った初日から
新しいランジェリー尽くしだよ?
下着から部屋着まで毎晩どれ着けていいか
分からない程溢れて来てるよ?」
「ああ、あれは俺の自己満足であって贈り物
じゃないし。むしろ着てくれた寧々さんに
満足感と恍惚感なんてプレゼントをもらってるのは俺」
「無欲だなぁ」
「そう?俺は貪欲だよ?」
「じゃあ、何か欲しいモノある?
あ、目に見て触れるものでね。
満足感とか感情的なものじゃなくて」
「寧々さん」
「っ……」
「見て触れるものでしょ?」
「っ~~」
「フハッ……顔真っ赤、」
「ってか……それ…もうあげてるし」
「っ……」
「……顔赤いよ」
「だから……
寧々さんの不意打ちな可愛さは凶器なんだって」
傍から見たらバカップル極まりない。
きっと会話すらも他愛が無くてくだらなくて価値がない。
人から見たらね。
でも……私には確かに価値があって、
九条くんにもきっと価値のある物。
「ねえ、とりあえずね、今日はずっと一緒に居させて」
「寧々さん欠乏症で離れられない」
恋しいからこそ寂しくて、
寂しい程に恋しくて、
恋しくて、恋しくて、恋しくて。
その感情が意地っ張りな理性よりも強く自分を煽る。
『彼だけが欲しい…』