Lingerie~after story~
雨の音がする。
静かな空間、起き抜けに聞き取った外の気配に気分が重くなる。
それと同時、自分の体調にも重苦しさを感じて思わず眉根を寄せたその時だ。
「……今日も辛い?」
「あ……ゴメン、起こし…た?」
「ん?いや……もともと起きかけだった。それより…今日も辛いの?」
あっ……気持ち良い。
雨天の早朝はブラインドの隙間から挿し込む明かりが少ない。
そのせいでいつもより薄暗い部屋の色調はまさに自分の心の反映の様だと思ってしまう。
更に言えば一昨日から女性泣かせな月一のお客様到来中ときたものだ。
昨日の段階から腹痛、腰痛に悩まされ、度々眉間に皺を寄せては項垂れていたわけだ。
今もズンっと重く痛む腰に眉根を寄せれば、起きていたらしい彼の温かい手が言葉より早く腰を摩って労わってくれた。
それが実に気落ち良くて、その心地良さにうっかり再び眠りに誘われそうな程。
撫でられてる猫とかこんな気分なのかな?なんて、完全に懐柔された様に身を任して手の熱に酔いしれていればだ、
「っ……」
「……顔色は…そんなに悪くないと思うけどね。………フハッ、ってか、みるみる赤くなった」
「だ、だって!!起き抜けに顎クイで顔覗き込まないでよっ、ぜ、絶対に顔浮腫んでてブサイクだしっ!!」
「ん?いや、いつも通り可愛いけど?」
「あ、悪意を感じるっ!絶対に私の反応楽しんでのその一言だ!!」
「あはは、可愛いって、目やについてても、涎の跡ついてても寧々さんは可愛いから」
「っ!!?」
ひぃっ!!と、咄嗟に確かめる様に目を擦り口元を拭ったのは言うまでもない。