Lingerie~after story~
ほら見た事か!!
そんな参事が広がっているから抵抗があるのだと言っているのに!!
なんて、慌てふためいている私をクスクスと笑う彼の意地の悪い事。
「嘘、なーんもついてないよ」
「っ……笑えないから」
「いつも通り可愛い寝起きのすっぴんだって」
「そう言うのもういいって……、年齢的に『可愛い』って響きが苦しくなってきてるの知ってるもん」
「そう?寧々さんの肌って衰え知らずでハリがあると思うけど」
「いや、10代の頃とは違う。化粧しても顔の出来が違う」
「まあ、10代と比べようってのはさすがに無理があるだろうからね。でも同年代と比べたら確実に肌年齢若々しいよ」
そうなんだろうか?
そもそも比べてみたことなどないのだから分かる筈もなく、それでも確かめる様に自分の頬を指の腹で撫でてみてしまう。
そんな私にすらクスリと笑い落とす九条くんは、寝起きの布団の中、乱れた髪でもその魅力は留まるところを知らないと思う。
なんか、毛並みのいい大きな黒猫みたいだな。
本当に会社にいる時とでは姿も表情もまるで違うと、自分の特権的彼のスタイルに飽きもせずキュンと歓喜を覚えていた最中だ。
「……んんっ___」
こ、これすらも可愛い飼い猫のじゃれつきだとドンと構えるべきなのか?
『寝起きにキスするな!』と、叫んでやりたいのに、そんな先を読んだようにタオルケット越しに口づけてこられて防衛される。