Lingerie~after story~
私も出来るだけそう見える様に表情を曇らせ、声を震わせながら秘密裏に九条くんに真実を伝えていく。
決して私の意志じゃない。
私の意志はいつだって……、
『寧々さんは俺のモノだよね?』
「っ…〝ごめんなさい〟」
『…………そう、なら』
「うん……」
『…………グダグダ悲壮感に浸って悲劇のヒロインしてんじゃねえぞっ!!』
「っ___ご、ごめんなさいぃぃぃぃ!!!」
最後のごめんなさいはYESの意ではなく、突如の怒号に完全に怯んだ謝罪の響きだ。
今の今までどこか冷静で穏やかな口調であったのに、最低限の確認事項が終わった途端に遺憾スタイルに切り替えたらしい彼。
不機嫌全開な声音に思いっきり怯んで声を発したけれど、コレは今の悲観の場にそぐわぬ慌てぶりだと我に返り、すぐに口元を覆うと嘆く様に俯いて見せた。
そんな間にも自分の耳には不機嫌露わな彼に言葉が続けられて、
『はぁ…まったく、すぐに状況に流されてひ弱になるとこが寧々さんの悪いとこだよね。それにもっと俺を信用したら?』
「えっ……」
『俺が『さようなら』の一言で寧々さんを簡単に手放すわけないじゃん』
「っ……」
『まあ、でも、いいや。……そのまま悲劇のヒロイン続けててよ』
「なっ……」
ちょっと、どういうこ……
『掻っ攫ってやるよ、寧々、』
「っ____」
『だから、大人しく泣いて打ちひしがれて待ってろ』
「っ~~~」
ああ、どうしようか。
今まさに泣いて待ってろと言われたばかりであるのに。
俯き、更に手で覆って隠した口元が感情に素直に弧を描きそうで困ってしまう。