Lingerie~after story~
まあ、あの九条くんをそうそう好きになる女子もいないんだろうけど。
と、少し冷静に仕事スタイルの彼を回想した瞬間に、キュッと柔らかく抱きしめ返されこめかみに口づけられた。
「……安心して。俺の恋人は寧々さんと仕事だけだから」
「………それもどうなんだろう?」
「あれ?仕事にも嫉妬する?」
「だって、九条君根っからのワーカーホリックだし」
「じゃあ、夢中になりすぎないようにしっかり俺を誘惑してよね、未来の徳嶺夫人」
と、徳嶺夫人って。
あ、でもそうか?
私と九条くんって一応……婚約者って事になるの?
なんか……照れる…。
「……予定は未定」
ついついだ。
なんだか今まで以上にリアルに感じたそれに、変に照れが生じて捻くれ者な自分が反応してしまった。
更にはプイッと顔の向きまで変えたのがまずかった?
「あ、そういう意地悪言う?」
「っ……」
「じゃあ、……もっと他所にはお嫁に行けない状態にしてあげようか?」
「っ……ただの照れ隠しじゃない!……って、ちょっ……えっ?冗談でしょ?何で組み敷いて……」
「ゴメン……欲情しちゃった」
「っ_____!!!!」
『いただきます』
そんな響きに無情を覚えたのは初めてかもしれない。
本当に……九条くん以外のところにお嫁に行けないかもしれないと思ってしまったその後の時間。
もちろん……割愛。