Lingerie~after story~




イズミに至ってはそれこそ何度も『ごめんなさい』してるのよ!?

なのにそれ言うたびに俄然燃えるとばかりに私へのアピールが増していくし。

それに刺激された九条くんの嫉妬からの執着も酷いし……。

そんなエンドレスに困るけど……

「でも、ま、確かにそろそろお仕事に戻りましょうか。私サンプルの縫製途中だったからウズウズしてるの」

「はぁ、まあな。俺も良いデザイン浮かんで描き起こしてたところで正直ウズウズしてた」

「…………って、おい。結局二人共気もそぞろですか?ここでの本命はお仕事ですか?」

「「仕事が俺(私)を呼んでいる」」

「っ……さっさと戻れワーカーホリック共!!」

結局この職場と言う場では仕事と言う恋人に夢中なのだこの2人は。

最終的にはサラッと放置される流れに、しっしっと二人に手を払い目を細める。

良いんだ良いんだ、私だって仕事大好きですから。

そんな風に入り口に踵を返したタイミング、

「じゃ、仕事上り5時半にエントランス集合ね、」

そんな風に響いて私の足を止めたのはイズミの声だ。

それに視線を戻せば追って響く、

「この前のワインが美味かった店希望」

そんな九条くんの答えの様な返答。

私が捉えている2人は各々の場所に戻る最中で、お互いに背を向けての掛け合いだったのだ。

なのに……なんだかんだ仲良しなんだから。

息合っちゃってるんだから。

だったら、私もそれに乗るしかないでしょ。

「………予約しておく」

「「また後で、」」

ああ………困る。

何て心地の良く癖になりそうな意気投合。

いや、……もうとっくに依存してるのか。


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