Lingerie~after story~
そんな風に健気に食事作って待ってたならさ、さっさと声かけるなりしてくればいいじゃないか。
捻くれた対応でもいいから匂わせて俺を誘えばよかったじゃないか。
『言っておくけどね、名残惜しそうに見つめてたってミモリは絶対に『寂しい』なんて顔見せてくれないわよ?』
本当だなイズミ。
『『寂しい』なんて可愛げ見せてくれないから可愛くなくて可愛いあの子なのよ』
今改めて痛感したよ。
本当に……、
「不安に溢れて取り乱す私を期待してたならごめんね」
「………」
「不安に取り乱したのは九条くんが出て行ったあの時だけ、その後は……絶対に戻ってくる九条くんに不安なんて継続出来なかった」
「………」
「だって……九条くんは私に甘いじゃない?」
「っ……」
「その甘さが本質だろうと罠だろうと、九条くんは私に甘くならざるを得ないんだもん」
「ミモリさん、」
「そこまでしてまで私が欲しいくらい九条くんは私が好きなんでしょう?」
「………」
「じゃあ……私が不安を感じる必要はないじゃない」
そうでしょ?とさらりと告げられる彼女の結論には思わず口から失笑が漏れる。
だって……だってさ。
「ミモリさんって……本当に恋愛下手なのか駆け引き上手なのか分かんない」
「駆け引き?私は私の寂しさに気が付いて一週間甘やかしてくれた九条くんの優しさを信じただけだよ?」
「っ……参る…」
言葉に裏表なく、本心からこの一言を発して俺を信じ切っている彼女に。