Lingerie~after story~
寂しさに気が付いてくれた?
そこに漬け込んだとは思わないんだ。
甘やかしてくれた?
その甘さが罠かもしれないって可能性も分かって語っていたじゃないかミモリさん。
優しさを信じた?
俺は基本優しいなんて男じゃないんだって。
性質の悪い計算づくで、利用できるものを最大限に利用して、ミモリさんの寂しさに漬け込んで俺を依存させたのに。
でも……確かに……。
そんなミモリさんだから……ついつい…本気で無条件に甘く、無条件に優しくしてしまいたくなる。
ああ……そうか……。
『あんたの黒い計算づくで攻めるのも結構。きっとミモリはそのままにあんたに依存するでしょうよ』
悔しながらも…イズミの言う通り…。
『でもね、あんた…ミモリの可愛くない可愛さを舐め過ぎよ。あんたも絶対に足元掬われる。抱いていた計算を呆気なく突き崩されて良い人にならざるを得ないのがあの子の厄介なところなんだから』
計算を打ち崩す…誤算の無条件な愛情の浮上。
「ミモリさんって……本当可愛くない」
「だから知ってるって」
「本っ当にムカつく」
「それを九条くんが言う!?言っておきますけどね、本当は私結構腸煮えくりかえってるんだからね!?」
ガタンと沸いた感情のままに立ち上がった彼女が俺を指さしながら距離を詰めて、さっきまで無表情であった顔に不満を刻みこんで睨み上げてくる。