Lingerie~after story~
憤る程、この一週間私に対して本気で愛情を向けていてくれたらしい彼。
それはもう激しい憤りぶつけられましたとも。
これが本当に惚れた相手に向ける顔か?!と思う程威圧的な姿に抱いていた恋心なんて放りだそうかと思った程。
でも、それすらも許さぬように、絶妙なタイミングで依存するような甘さで繋ぎとめてくるのだ、九条くんは。
言葉よりも早く与えられるのは温もりと確かなる存在感。
触れ合う感触や匂いに孤独感薄れ、安堵を覚え始める瞬間に図ったように耳に吹き込まれる
『好きですよ。……ミモリさんの全部』
そんな一言に投げ捨てようかと思っていた恋心を再び抱き寄せ落とさぬようにと強固に抱きしめてしまうのだ。
そうして……本当の意味で恋人同士になった数時間前。
今までの抑制する理由がなくなってしまえばそれこそ好き合う男女の素通りできない抱擁と言うのか。
私だってそういうモノだと思っていた。
抱きしめられる事は緊張もするけれどそれ以上の安堵や歓喜がある。
九条くんに触られるのに苦悶したのは感情が交差していないと思っての事で、その誤解が溶けてしまえば只々甘く心地いい。
もっと触ってほしい。
抱きしめて『好き』だと言って欲しいだなんて…『いい歳してリア充かっ!』と自分を詰ってしまう程。
……だったのに。