Lingerie~after story~
今も拙く羞恥を示しながら動く掌が多分意図的じゃなく俺の胸の先を掠めた瞬間。
「っ……ごめん……ちょっ……羞恥心の……自滅……」
「っ……俺も、」
俺も自滅だ。
心底そう思ってしまうこの生殺しの末路。
プシューっと音や湯気が出そうな程限界を漏らした彼女がようやく俺の肌から手を放して崩れる様に寄りかかる。
そんな彼女を支える俺もなかなかギリギリの状態で理性を保つようにクールダウンを図る。
それにしたって……、
「羞恥心でこうなるなら触りたいとか言わなきゃいいのに」
「っ……だって……九条くんじゃなきゃダメだって分かったんだもん」
「……はっ?」
「九条くんが与えた不安は九条くんじゃなきゃ完全は解消できなくて安心なんて与えてくれない」
「…………」
「それに…九条くんの人肌に触れてみたかったの」
「っ……」
「イズミじゃダメなの。……九条くんのぬくもりや感触じゃなきゃ……埋められないって気が付いたの」
「………」
「とりあえずは………それで納得して?……許して?曖昧で……ごめん」
「……っ~~~本当に………狡くてムカつくよミモリさんって」
言っているのは俺とイズミどちらに嫉妬しているかと投げた問いかけの時の事だろう。
そうして彼女なりに弾いた結論は相変わらず曖昧だけども小さくも一つ俺にだけの意識を見つけたらしい。
いいよ。
とりあえずはそれで良しとしてあげるよ。