Lingerie~after story~
私のそんな焦りや戸惑いを知ってか知らずか、それ以上事をせがむでもなくスルリと外れていく彼の温もり。
それでも私の頭を宥める様にポンポンと撫でるケアのような優しさは与えられ、それが逆に居た堪れなく心が締め付けられる。
だって…、えっ……、私…。
「……ミモリさん、」
「っ……!!」
「……フッ……おいで、」
「っ~~」
罪悪感に押し固まっていれば、ここにきても彼は私に甘く優しい。
先にベッドに横たわり、そのまま背を向けて寝られてもおかしくない様な場面だったと思う。
実際そのような対応をされるのでは?と怯んでいた最中に声をかけられ萎縮したというのに。
そんな私に向けられたのは失笑……そして、いつもの彼の温もりだ。
引き寄せられ腕の中に収められ、すでに馴染んだ匂いや感触を得れば絶対的安堵から泣きたくなる。
実際にすでに目じりが熱く、浮かびかけていた涙を誤魔化す様に彼の胸に顔を埋めて。
「……っ~~可愛くなくてゴメン」
「フッ……いやあ、俺的にはいつだってミモリさんは可愛い範疇ですけど?」
「………九条くん、」
「うん?」
「……触らせて」
「………………ミモリさんって本当に時々鬼だよね。ベッドの上で『触らせて』とか言っちゃう?」
「へっ?九条くんは触ってるじゃない。毎晩。私はダメなの?」
「っ~~~背中だけね」
ヤレヤレと言わんばかり。
何をそんなに悶絶葛藤しての結論であったのかは知らないけれど、許可が下りたところでスルリと手を這わせて彼の素肌の背中に触れた。