Lingerie~after story~
「…で?それのどこが原因な話なわけ?」
私の回想をとりあえず静かに聞き入れていたイズミのやっとの第一声。
腕を組み壁に寄りかかった姿は『惚気んじゃねぇ』と言いたげな半目で私を見据えて来ている。
「そのあんたの勿体ぶった日の記憶と欲求不満がどうつながってるっていうのよ」
「も、勿体ぶったわけじゃ」
「勿体ぶってんのよ。あんた散々処女に未練はないとか言っておいて今更。そのくせ無自覚に煽るだけ煽って…さすがに九条に同情するわよ」
「………ですよねぇ」
「ちょっ……なに本気で落ちてるのよ」
「いや、イズミがそう言うんだから当人の九条くんは相当なのかなって……。笑っていつも通りにしてくれてたけど実は『やってられっか!!』って私の事見限って逃げだすタイミング図ってるのかなって……」
「はあっ!?何でいきなりそんなマイナス思考よ。ちょっ、全然話見えないんだけど!?」
「………その日以降なのよね……」
「何が?」
「九条くんが私の起きてる時間帯に帰宅しなくなったの」
「………」
「一応帰って来てる気配は分かるのよ。形跡も残ってるし……でも、朝起きるとすでに出勤した後で姿無くて」
「………」
「そんな日が連日続いて現在4日目迎え中」
あっ、なんか音にして響かせたら堪え切れないくらいに寂しくなってきた。