Lingerie~after story~
「あんたを起こさないように気を使ってソファで寝たんじゃないの?だって朝もあんたより早く起きて出かけてたんでしょ?」
「それはそうだけど……でもそんな早朝から仕事に行くものなのかなって。それでなくとも深夜まで帰ってこないのに」
「九条ならあり得なくないわよ。元々仕事が恋人みたいな奴だしね。今までだって頻繁に早朝から深夜まで会社に居た事あるもの」
気に病むような事じゃない。
それを示す様にイズミの視線がチラリと中で仕事に没頭する彼に向けられ私に戻ってくる。
それに遅れて彼へと視線を走らせ見つめてしまう。
相変わらず読める表情は口元ばかりのもっさりスタイルと言うのか。
そんな横顔を見つめて抱いている懸念に眉根を寄せると、
「……まだ、何か他に気にかかってるみたいね」
「………」
「寂しいとか、嫌われたんじゃ?なんて不安は実は優先的不安じゃないんじゃないの?」
「……私って、そんなに顔に出てる?」
「はっきりくっきり」
本当に頭の上に心の噴き出しでも表示されているんじゃなかろうか?
そんな疑問すら自分に抱きながら顔を撫でつつ、はぁっと一息吐いて抱いていた不安と言うよりは違和感を打ち明けようと口を開きかけた瞬間だ。