Lingerie~after story~
「もう、そんな虐めてあげないのよ?九条。これでも健気にあんた不足で嘆いてたミモリなんだから」
「っ…なっ!!」
「だからついつい私がよしよしッて慰めてあげたくなっちゃってたのよね?」
突然何をサラッと暴露してくれてるんだこのおネエ!!
しかもまたこうやって九条くんの前で過剰なスキンシップをしてみせる!!
クスクスと実に楽し気に笑いながら私を背後から抱きしめてくるイズミには心底焦る。
だってこの展開が招く結果と言えば…、
「絶対に去勢してやる」
ほらっ、もうどす黒い九条くんの完成でしょ!!
「寂しかった?そんなの俺に直に言うべき事でオカマに相談してんじゃねぇぞ。可愛さ余って憎さ百倍……泣かせ尽くしてやろうか?」
目ッ!目が据わってるから!!
チラリと髪の隙間から捉えた眼光の鋭く怒気の満ちている事。
ヒィィィッと心で悲鳴を上げながら震えている私に未だ絡んだままクスクスと笑うイズミ。
いよいよ彼の手刀なり蹴りが炸裂するんじゃ?なんてビクビクと構えていたけれど……、アレ?
「はあぁぁぁ、っとに、ミモリさんの危機管理能力の薄さには困る」
「………」
「ほら、安心しなさいミモリ、いつもの九条よ。今日あたりは早めに仕事切り上げてあんたを虐めに帰るでしょうよ」
「いや、多分今日も遅い」
「あらあ、じゃあ寂しいミモリの心の穴埋めを私が立候補しちゃおうかしら」
「ふざけんな。お前本当に去せ……っ…」
彼がこんな風に言葉を断ち切られるのは珍しい。
そしてこの心底驚愕した双眸も。
誰が驚かせた?
……私だ。