Lingerie~after story~


何この無茶苦茶可愛い生き物!

本当にあの九条 爽ですか!?と悶絶絶叫は心に留め、実際の自分は意思よりも早く彼を抱きしめる感覚で抱きつきなおしてしまっていた。

それはもうギュウっと、ギュウっとね。

「……ミモリさん?えっと……この突然の積極的抱擁の心は?」

「九条くんがけしからんからです」

「はっ?」

「あんまりアラサー女子の心を搔き乱して萌えさせて煽らないでほしいのよ。ギャップ萌えに沸くとかね、本当に今までの私には皆無で無縁の世界だったのよ」

「はあ、真顔でまたおかしな語りを、」

「そもそもね、九条くんは私の前じゃ可愛い部分見せすぎだと思うのよ。悪評高い懐かない野良みたいなキャラしてて実は甘党とか」

「成程、ミモリさんが俺にどんな印象だったのか今はっきり分かった気がする」

「プリンが好きとかどんだけ可愛い味覚だコノヤロウ。寝起き直前の伸びの表情とか超可愛いって自覚しろ、朝から悶え死ぬからやめて。ソファのクッションを無意識に抱きしめながら寝転がるの本当に無理!警戒心の強い黒猫が無防備みたいで無理っ!可愛いすぎるんだって!」

「………」

「とにかく、九条くんは自分の元来のイメージをもっと保ってですね……っ…ぎゃっ!!?」

と、ここまで至って真顔で熱弁していた私だったんだけど。


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