Lingerie~after story~




ああ、今宵も……




「っ……はぁっ…九じょ…く…んんんっ___」

言葉を挟むなんて微々たる集中力の欠如も許さぬと言わんばかり、音を発する部位はその縁を隙間なく塞がれ呼吸困難すら覚えそうな。

逆上せ上がった頭がやっと必死に弾かせようとした言葉の響きであったのに。

空気に震えた瞬間にいともあっさりと摘み取りに来た男は……ああ、今宵も悪魔的魅力たっぷりに意地悪く笑うんだな。

口元は見えずとも至近距離で時折絡む印象的なオッドアイの双眸は終始笑いを孕んでいる。

悔しくも……綺麗だ。

そう思ってしまう時点で私の負け。

それでも、

「っ……だ……ま、待てっ!」

「………ミモリさん…首痛い」

「あっ、ご、ごめ……」

「それに俺は犬ですか?」

「い、犬なんて可愛い響きかな…」

「成程、オオカミ希望って事かな」

「っ……謝るからその含みたっぷりの笑顔止めて……恐い」

いや、まだ笑顔をはっつけてくれているだけその内々は穏やかな不満と言うところであるんだろうけども。

それでもにこやかに微笑んではいても私の上から退いて拘束を解いてくれるわけではなく、むしろ隙を見せればすかさず食いつきなおされそうなベッドの上。

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