Lingerie~after story~
それをどこまでも憤りとして誤魔化したいが故に、自分の上に乗ったままであった彼を強引に押し退け体を起こした。
……筈か、すぐに腰に巻きついてきた腕と、クスクス笑う息遣いが腰を掠めてそのまま柔らかな感触を与えられる。
ああ、もう……なんて狡い。
いい歳して不満すらまともに継続出来ずに流されてしまう。
私の前でだけはどこまでも甘ったるい年下の彼にまんまと絆され大人な自分を貫けなくなっている。
「……怒らないで?寂しいから離れないでよ……ミモリさん」
「っ……九条くんが……意地悪だから」
「フフッ、そうだね。好きな子は虐めたいっていう寂しがりのお子様だから俺。……甘やかしてくれるでしょ?大人なミモリさんは」
何が『お子様』よ、何が『大人よ』。
本心では真逆の事を思って私を見下ろし翻弄しているくせに。
取って付けたような言葉を並べる彼に『ワザとらしい』と非難するように眉根を寄せて振り返ったのに、そんな私などさらりと突き崩す様にすかさずしなやかな動きで状態を起こして私を押し倒してくる彼には負けた。
また、このアングル。
薄暗い部屋にルームライトの微々たる明かりのみ。
私を見下ろす姿はその微々たる明かりを背負って陰っていて、それでも鮮明に示される彼の妖艶さの誘惑には最近抗えなくなっている自分がいる。