Lingerie~after story~
「……厭らしい、」
「っ……なっ…」
「ミモリさんじゃなくて……濡れた生地の変色が」
「っ~~~」
「でも……俺の一言に過剰に反応して、それでも必死に平然を纏おうとするミモリさんはもの凄く可愛い」
「なっ……ば、馬鹿に…」
「してないよ?むしろ、外じゃ見れない俺だけのミモリさんで俺の特許」
そんなの……私の目の前にいる九条くんもそうだよ。
決して職場では見る事のない姿。
他人には見せぬ彼の素顔や甘いマスクに言葉の響き。
私だけにひたすらに与えられる特許。
毎日毎日私だけに描かれ作り出されるランジェリーを纏わされて、滅多に描かれない口元の弧まで見せつけられ優しく触れられれば己惚れた感覚だって日々成長するというモノであろう。
それに素直に甘えられない可愛くない性分さえも彼は可愛いなんて言いきって甘やかしてくるのだから……私が取り繕った大人を継続できるはずもないのだ。
今だって、一撫で一撫で優しく大きな手に抱いていたつまらないプライドを削ぎ落されている。
変に興奮状態であった心中を落ち着かせにくるような色違いの双眸に催眠効果。
ああ、ほら……心の中でだけ素直な感情が揺り起こされて…。
『好き』
と、もどかしい感情を発熱させてその熱の熱さに目を細めた。