Lingerie~after story~
「………厭らしい」
「………」
「動揺しないって事は自覚あっての事だよね?」
勿論…さすがに自覚してる。
でもだって……、
「触りたくなるんだもの……九条くんの肌」
「理由も厭らしい。……そんな逆上せたような微睡んだ顔しちゃってさ。………無自覚って恐いね、」
クスリと音を響かせた表情は笑ってはいるけれど複雑さが少々。
方眉の上がった笑みの意味を考えるより早く彼の端整な顔が至近距離に寄っていて、それと同時に捲り上げられたベビードールの薄生地が唇を掠めてすぐに柔らかい感触で密着させられる。
「んっ……」
思わず声を漏らしたのは上唇に与えられたしっとりとした感触のせい。
リップを塗るように端から端へとゆっくり舐め這って、トドメとばかりに柔らかく食まれてしまえば寒くもないのにゾクリと震え、いつの間にか止めてしまっていた息を割れ目から零す。
そんな瞬間を待っていたように、
「ミモリさん……舌」
そんな言葉短な一言でもどんな要求か理解出来てしまうのは培ってきたここ数日の記憶の成果と言える。
それでも……これはまだまだ慣れない。
それを頭よりも早く体が示して芯から発熱して躊躇いの息を飲む程。