Lingerie~after story~
それでも……だ。
「っ……」
『良い子』
そう言われているような目元の笑みと、布越しで舐め合うお互いの舌と。
舐めると言ってもピンっと張っている薄布のせいでお互いの舌を押し重ねたり擽る程度。
それでもそんな行為でお互いの唾液が混じり湿り気を広げていく薄布が扇情的であり、同時に……余計な思考が脳裏で働き羞恥の上乗せ。
この薄布が自分の理性の混乱を防ぐストッパーである筈で、必要なものの筈なのに。
………もどかしい。
ザラリとした感触や変にまとわりつく微々たる不快さ。
それに知らず知らず眉根を寄せてしまうのすでに日課。
そしてその刹那に『クスリ』と意地の悪い音の響きを落とされ、彼の策にまんまとハマっているのだと理解してしまう。
分かってるの。
これは仕返し。
なかなか彼の欲求に身を任さない私に、逆手を取った意地悪な仕返し。
だから、せめてもの仕返しとして私も遠慮なく彼の肌に指先を這わせて熱を貪るのだ。
でも……さすがにだ……。
私だって……さすがにね。