Lingerie~after story~
どこまでも自分の趣味に走った行先の選別には多少の迷いがあったのだ。
それでも彼なりに興味を抱いてくれたらしく、私への気遣いではなく今もクラゲの独特な雰囲気をランジェリーに起こしたら可愛くないだろうか?なんて事を呟きながらコーヒーを飲んでいる。
それでも……
「もし本当は面倒だったら言ってね」
「……俺嫌そうな顔してる?」
「してないけど……」
「うん、ミモリさんもご存知の通り自分が面倒だとか嫌な事には遠慮なく言うよ俺」
「知ってる」
「それに……フッ……ミモリさんからの不器用なデートのお誘いを無下にするわけないでしょ?」
「っ………デ、デートとは銘打ってないけど」
「そ?そうしておきたいのなら響きはどうでもいいけどね」
そんな風にさらりと引きを見せて笑ってくる姿には何でか悔しくもどかしい。
そりゃこの歳でデートなんてワードに今更意識大に心を焦らせるなんて私くらいでしょうよ。
それでも私としては大人の心持でさらりと何食わぬ感じにデートに誘う余裕を見せつけてやろうと思っていた筈なのに。
いつの間にか大人対応の彼に子供扱いされているような。
「っ……………デートって事にしてあげるわよ」
『仕方ないわね』とばかり。
はぁっ、とこれ見よがしな息の吐き出しをして、残っていたコーヒーを口に流し込むとそのカップをシンクに置く。
……と、同時に、
ああああああああ‥‥‥‥、
何で、どうして、こうも私は可愛くない態度で締めくくるんでしょうね?……と、自己嫌悪。