Lingerie~after story~
既に大人でないと見破られている相手に虚勢を張った羞恥も上乗せ。
本当に…愚かしい程素直じゃない。
そんな私に呆れるでもない彼は…、
ほら、言葉より早く私に安堵の熱を与えに背後から抱きしめにくる腕。
そのまま耳元に寄った唇が愛でる様に食んできて、
「っ……」
「デート……楽しみで仕事手につかないかも」
「っ…嘘つき。本命って言えるくらいに仕事が好きなくせに」
「あれ?……妬いてくれてるの?」
「言葉の綾よ!」
「妬いて…くれないの?」
「っ……」
なんて小狡いのか。
最初の問いに慌てて否定を響かせれば、今度は真逆の問いかけで私の焦りを引きにくる。
人の肩にちょこんと顎を乗せて、いたずらっぽさの中に甘えもチラつく。
きっと、私が慌てて振り絞って羞恥しながら屈服するのを期待してる。
でも、
「妬かない、」
「……」
「仕事してる九条くんの姿嫌いじゃないもの」
「……」
「っ……少なくとも、し、仕事モードな九条くんが異性的にモテる事はないじゃない。仕事に夢中になっててくれた方が精神安定穏やかだもの」
どーだ。と自信に満ちた切り返しのつもりであった、だから余裕なく嫉妬などしないのだと示し『大人対応だ!』と微々たる優越にひっそり染まっていたのに。