愛人契約
3日後。

泰介の脳腫瘍の手術が行われた。

最悪の場合、後遺症が残るって言われたけれど、それよりも命が助かってほしい。

私は、手術室の前の椅子に、一日中座っていた。

手術の時間は、数時間にも及ぶって聞いても、片時も離れる事ができない。


そんな時だ。

「日満理。」

「三宅先輩……」

本田さんを紹介してくれた会社の先輩が、病院に駆け付けてくれた。

「今日、泰介君の手術の日だって聞いたから、会社早退してきちゃった。」

先輩はそう言って、ペロッと舌を出した。


「泰介君の手術は?」

「始まって、3時間経ちます。」

この3時間。

一つも安心できなかった。

「よし。ご飯食べに行こうか。」
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