愛人契約
「えっ?」

私は、顔を上げた。

「どうせお昼も食べてないんでしょ。夜だって、いつ手術が終わるか、気が気じゃなくて逃してしまうだろうし。」

「ああ……」

「ねっ。病院の中に、レストランがあったわよね。あそこなら直ぐ戻って来られるから、いいでしょ?」

「……はい。」

私は三宅先輩の言葉に甘えて、ご飯を食べに行った。


病院のレストランは2階にあって、見晴らしもよかった。

「何食べる?」

「……サンドイッチで。」

「サンドイッチ?パスタにしなさいよ。」

三宅先輩のおすすめで、私達はパスタを食べる事にした。

出てきたパスタは、ごく普通の味付けで、それが反って安心した。

もし、美味しいパスタを食べていたら、手術中の泰介に悪いもの。

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