おそろい


店に入った瞬間目に止まったのは
鮮やかな色のカーテン


「トキ、あたしこれがいい!」


「待ってよ
カーテンは後で
ほら先に食器見ようよ」


はしゃぐあたしを大きく包んでいくようになだめてくれる

だけど今日はトキのその声がちょっと高いみたい


食器売り場に向かうと
マグカップが沢山並んでた

その中でもお気に入りを発見したあたし


「このマグカップかわいくない?」


あたしが手にとったのはドット柄のマグカップ
白地で取っ手とドットの部分が違う色
色の種類もいっぱいある


「いーね
これにしようか
ミクはどの色がいいの?
おれもどれにしよう…」


あたしねあなたが買いたいって思ってる色
わかるよ
当てちゃっていいかな?


「トキはこれじゃない?」


グリーンのカップを指さして言う

特に色の好みはないって言ってたけど
気付けばトキの身の回りのものってグリーンが多いんだよ


「そう!
これいいなって思ってたんだ
ミクのも当てたくなってきたぞ」


あたしのはこのカップ見た時から決まってた


「じゃあせーので指さそうよ」


『せーのっ』


びし

2人が同時に指さしたのはイエローのカップ


「やっぱりね
ミクは黄色がすきだし
似合うよね」


お互いのことがわかるってすごいこと




< 10 / 37 >

この作品をシェア

pagetop