おそろい


帰るともう夕食の時間
作るのはあたし


新しい食器使おっかな


買ってきたばかりの袋を開けて皿を取り出す

次々に盛られていく食材


毎日トキにご飯作ってあげられるんだ

嬉しいな


「トキーっ
何してるの?
ご飯食べよ?」


部屋のドアが開いてトキが入ってくる


わたしはトキのちょっとした変化さえ見逃さない


「…寝てたの?」


「あっ
わかる?
ごめんねミクがご飯作ってるのに寝てて」


そう言って頭を掻くあなた

気にしてないのに
むしろ謝る方はあたしなのに

わたしがつれまわしたから疲れたんだよね?
明日から仕事なのに


「トキ」


「ん?」


「ありがと」


「こちらこそ」


見つめあうと笑みが溢れてきた

トキの腕があたしを包みこむ
何度も頭を撫でてくれる

ずっと

ずっと

こうしていてね




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