イケメン部 〜第3巻〜
そう言うと、城津はテーブルの上に置かれた栄養ドリンクに手を差し伸べた。


手を伸ばすがあと少しのところで届かない。


それに気付いた澪和は、栄養ドリンクを手に取り、



「どうぞ」



城津へ差し出した。

城津は寝転んだまま手を伸ばし、



「……きゃっ!?」



澪和の腕を掴むと一気に自分の身体の上へと引き寄せた。



「…怖いかい?」


「…っ」



熱のために荒い息をする城津が声を発する。

澪和は身動きが取れない。



「は、離して…ください」



力を込めるがビクともしない。

病人のくせに、力だけは一丁前なようだ。


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