イケメン部 〜第3巻〜
なにやら問題を抱えているかのように、しきりに頬をかいたり、髪の毛をクシャクシャやったり、腕を組んでみたり…
落ち着かない様子だった。
気になった澪和は、
「あの…、何か不都合が…?」
御影の父に問う。
すると、ハッと我に返ったような表情をして、
「い、いや、何でもない。…もう学校に向かわないといけない時間ではないか?誠の事は任せて、行ってらっしゃい」
腕時計で時間を確認してから澪和に声を掛けた。
澪和は、そうだった!と言って、手元にあったカバンを取って、急いで御影の病室を出ようとした。
「誠のそばにいてくれてありがとう」
「…っ!いえ。失礼します!」
病室を出る間際、御影の父からの感謝の言葉を受け、澪和は足早に病院を去っていった。