イケメン部 〜第3巻〜
拝啓 海空澪和 殿
先日は我が息子が貴殿に御迷惑をかけてしまい、申し訳ない。
さて、貴殿は存じておられるだろうか分からないが、貴殿には未来を約束した人物がいらっしゃるだろう。
誠はまだその事を知らない。
どうか、いつか打ち明けてあげて欲しい。
大変自分勝手ではあるが、傷付かないように優しく頼む。
それではまた、どこかで。
御影步
と書かれていた。
未来を約束した人物ーーー?
澪和は疑問に思った。
だって澪和が付き合っているのは御影だ。
だが、この手紙の書き方からすると、その未来を約束した人物は御影ではないようでーーー
「…海空、どうかしたか?」
急に後ろから御影の声がした。
「あっ、い、いえ…。何も…」
なるべく変に思われないように、御影から視線を外しながら答える。
御影は「そうか」と言うと、優しく微笑んだ。