イケメン部 〜第3巻〜
…御影先輩じゃない誰かと私が婚約してるってこと?
考えれば考えるほど頭が痛む。
まったく心当たりが無さすぎて、怖い。
私の意見なんか無視して、勝手にお父さん達が決めてるんだもんね。
いつだってそう…。
だから今回も私が知らない間に、どこの誰かもわからない人とーーー
「…はぁ」
澪和の大きなため息を聞いて、真っ先に西条が反応する。
「海空、なんか悩んでんのか?」
「…えっ」
伝統部の部員達はみんな優しい。
女子から人気な理由も分からなくもない。
(八割型イケメンだからモテるっぽいけど)
「だ、大丈夫ですよっ。…ありがとうございます」
なるべく笑顔で対応したからか、西条はホッとしたような表情を見せた。
……私の婚約者。
何としてでも探し出そう…!!
澪和は静かに闘志を燃やして、そう心に決めた。