イケメン部 〜第3巻〜
其ノ弍
秋ーーー
伝統部の部室の窓から見える校庭のもみじ達も色付き、涼しい風が部室内に流れ込む。
「もうすっかり秋ですね」
ズレたメガネを直しながら桐神が言う。
隣に座っていた城津は、明日の授業の予習なのだろうプリントに文字を書き込みながら、
「まあ、時の流れは早いものだからねぇ」
相槌を打ちながら答えた。
秋ーーー
それは食欲の季節。
それを代表するような部員がここに1人。
「あぁ!御影お前、俺のポテチ食っただろ!」
「ん?あぁ、これは西条のだったのか。俺のロッカーの中に入ってたのだが…」
「え、あ…。ま、間違えたんだよ!分かるだろ、それくらい!」
「…本当にお前はさわがしいな」