【バレンタイン特別短編】棚の上の恋
まわりを見回してみる。
本を取るのに使えそうな台はなかった。
どうやらこの身長で本と格闘しなければならないらしい。
いくら手をのばしても、とどく気配は微塵もない。
まわりを気にしながらも、思い切ってジャンプしてみる。
しかしながら、あとほんの僅かにとどかない。
恥を捨てて、思いっきりジャンプしてみたその時……
私の体は誰かの手によって、ふわりと浮いていた。
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